「東京ベンチャー企業選手権大会2022」イベントレポート
去る2022年12月22日、「東京ベンチャー企業選手権大会2022 ファイナル」にパートナーの高橋(以後、私。)が審査員として参加しましたので、イベントレポートをお届けします。
「東京ベンチャー企業選手権大会2022」とは
「東京ベンチャー企業選手権大会2022」は、東京ユニコーンプロジェクト運営委員会(発起人:有限会社ロッキングホース 代表取締役 森部好樹様)が、“東京からユニコーン企業を創出する“をスローガンに開催する、東京都後援のベンチャー企業によるピッチコンテストです。
第4回目となる今回は、企業フェーズに合わせて「ユニコーン部門」と「ヒヨコーン部門」の2部門制を取っており、100社近いエントリーがあったそうです。
エントリーから書類審査、二次審査を経てファイナルに進んだ各部門8社がファイナルイベントに出場し、厳正なる審査の結果、受賞企業は以下の通りとなりました。
【ユニコーン部門】
・最優秀賞(東京都知事賞)
株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー
世界にまだない、選択肢をつくる。テクノロジーで、医療のカタチを革新する。
・優秀賞(産業労働局長賞)
matsuri technologies株式会社
「たび」と「すまい」の形をかえる
【ヒヨコーン部門】
・最優秀賞(東京都知事賞)
株式会社シルバコンパス
映像対話システム「Talk With」で年間100億人分の対人業務支援を実現?
・優秀賞(産業労働局長賞)
株式会社HICKY
心不全患者の中枢性睡眠時無呼吸を治療する新しい植え込み型デバイスを開発しています
・審査員特別賞
株式会社トレードワルツ
産官学All Japanで貿易の未来を共に創造し、アジアのB2B情報ハブとなる
初参加のイベント!緊張と興奮の審査
本イベントは、響きパートナーズのお取引先である株式会社プロネクサス様が大会の協賛をされており、審査員候補探しの過程で響きパートナーズへお声掛け頂きました。響きパートナーズでは、過去にもNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の審査員などを務めた実績がありますが、今回はパートナーの中でピッチコンテストの経験がある私が審査員として参加する運びとなりました。
審査は、2022年11月初旬に実施された「ユニコーン部門」の二次審査から参加し、同部門の書類審査を通過した計24社のプレゼンテーションをオンラインでお聞きしました。1社あたり10分間弱という短時間のピッチでしたが、どの企業も事業内容が興味深く、プレゼン資料の情報も豊富でした。審査にはとても悩み、採点にも時間がかかりましたが、他の審査員との意見交換が活発に行われ、様々な観点から有意義な議論ができた結果、納得のファイナリスト選定ができたと思います。
そしてファイナル当日。
ファイナルのみリアル開催といういうことで、会場はセガサミーホールディングス株式会社が運営するコワーキングスペース「TUNNEL TOKYO」でした。
会場の壁一面に大型LEDビジョンが設置されたシャープで近未来的なオープンラウンジは、ベンチャー企業のイベントに相応しく、会場の雰囲気がイベントをさらに盛り上げていました。
開会式では、この大型LEDビジョンで小池百合子都知事と宮坂学副知事からの応援メッセージ動画が流され、高まる期待感のなかで各社のプレゼンテーションが始まりました。
ファイナル選出企業の事業領域は実に多様で、ITやAI、ヘルスケア、Web3.0、HRtech、DX、宇宙、民泊など。
どれも新規性に富んだビジネスプランばかりで、さらに高い志を持った経営者による意欲溢れるプレゼンテーションは、二次審査の時より一層磨きがかかっており、どの会社も甲乙付け難いものでした。
また、本イベントは東京都の後援だけでなく、各業界のトップ企業が協賛ということで、ファイナルの審査員は経験豊富な経営者ばかり。その末席に加えて頂いた私としては、一緒に審査させて頂くだけで非常に勉強と刺激になりました。
審査講評(あくまで個人の意見です。)
最後に、ユニコーン部門で受賞された2社について、簡単な個人講評を述べておきたいと思います。
最優秀賞(東京都知事賞)
株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー様
同社は、乳幼児向けの頭部矯正ヘルメットという非常に個性的な医療機器の製造・販売を行っていることにインパクトがありました。ただ、この商品の海外展開だけに留まらず、サスティナビリティに乏しく閉塞感のある医療や福祉の世界に革命を起こしたいと訴える大野秀晃社長の熱いピッチが印象的でした。
ちなみに、ファイナル開催まで知らなかったのですが、なんと大野社長は響きパートナーズのパートナーである岡本の学生時代の部活の後輩とのこと!
もちろんフラットに審査しましたが、審査員控室で最優秀賞が決まった時は思わずニヤリとしつつ、表彰式まで素知らぬ顔でいました。
優秀賞(産業労働局長賞)
matsuri technologies株式会社様
プレゼン冒頭に「なんだ民泊かと思われるでしょうが…」との前フリで始まり、その事業内容を聞いていくうちにどんどん惹き込まれていくという、期待値高まるプレゼンテーションが印象的でした。同社は、国内においてAirbnbに最多の物件供給数を誇るだけでなく、貸出物件の無人運営を「StayX」をはじめとした複数のアプリで一貫して実現するデジタルソリューションを展開しています。
海外でAirbnb利用経験がある私としては、痒い所に手が届くサービスだなあと感心するとともに、コロナ禍が収束して旅行需要が回復しつつある現在において、一気にサービス拡大が期待できる成長性を感じました。
普段より様々なベンチャー企業やIPO準備企業と接していますが、コンサルティング業務では企業のバックオフィスや裏方的側面を多く拝見しているため、今回は異なる視点でベンチャー企業の華やかな面を見ることができ、ベンチャー経営の魅力を再確認できました。今回の受賞企業はもちろん、すべての参加企業がますます発展され、東京発のユニコーン企業して大きく飛躍されることを期待しております。