赤字上場

赤字上場とは、直前期(N-1期)の当期純利益が赤字の企業の新規上場(IPO)のことです。

赤字企業でも上場できるか?

赤字上場は可能です。
実は、東証が2024年5月に公表した「上場審査に関するFAQ」において、グロース市場において上場までの黒字化を求める制度がない旨が明記されています。
主幹事証券会社が高い成長可能性を有すると評価し、赤字であっても投資家に広く受け入れられると判断した結果、赤字上場を⾏った実績がこれまでにも多く存在します。2023年には新規上場128社(TOKYO PRO Marketへの上場及びTOKYO PRO Marketを経由した上場を含む)のうち、21社が赤字上場でした。)。

赤字であっても上場は可能ですが、自社のビジネスモデルや事業環境、リスク要因等を踏まえ、成長の実現に向けた取組みの効果やコストを、事業計画に合理的に反映させることが必要であり、上場時点で赤字を計上する計画である場合には、以下の観点からも事業計画の合理性について審査をされます。

【販売計画(売上)について】

・販売実績に乏しい場合、販売先の確保の見通しがありますか。
・市場環境(市場規模やシェア・競合状況)及び申請会社の製商品・サービス・開発品等の特徴から、販売計画を合理的に説明できますか。
・今後の販売拡大が、過去実績を大きく上回る傾向となることを計画している場合、その要因を合理的に説明できますか。
・販売計画の前提となる事象(例えば、販売パートナーとの契約締結や許認可の取得など)が存在する場合、当該事象が整備されていること(又はその見込み)について説明できますか。

【投資計画(費用)について】

・投資(P/L に計上されるもの(人件費や広告宣伝費等)も含みます)によって見込まれる効果(例えば、販売数量の増加や原価の低減、研究開発投資による新製品や新サービスの開始など)を事業計画に織り込んでいる場合、当該効果は合理的に見積もられていますか。
・投資の期間について、投資方針の変更や投資継続の判断に係る考え方を踏まえて合理的に説明できますか。
・今後、投資を急激に縮小又は変更する予定がある場合、その影響を合理的に説明できますか。

【資金計画について】

・資金計画において上場時の調達資金の比重が大きい場合、調達額が想定を下回った際のバックアッププランや事業計画の変更・縮小について、その影響を含め、十分な検討が行われていますか。

(新規上場ガイドブック グロース市場編より抜粋)

なお、赤字で上場する場合には、投資家が適切に評価を⾏えるよう、自社の成長可能性やそれを実現するための事業計画(成長可能性資料)について、特に丁寧に開示することが求められます。

響きパートナーズでは、赤字上場について多くの成功事例があり、赤字上場に関する知識、ノウハウから、様々なタスクに対して、効率的な無駄のない支援をすることが可能です。

響きパートナーズ株式会社

響きパートナーズは、IPO支援を行なうコンサルティング会社です。ベンチャー企業の経営支援・IPO支援のプロフェッショナルとして、毎年、国内で上場する企業のおよそ10社に1社をご支援しています。当社では、IPOに関する課題をお持ちのお客様に、アドバイスだけでなくコンサルタントが実際に手を動かして、課題解決に向けて伴走支援いたします。

監修者

伊東 誌郎

公認会計士。有限責任あずさ監査法人にて、上場会社の法定監査およびIPO監査、ショートレビュー、その他アドバイザリー業務等に従事。2018年に響きパートナーズに参画、パートナーを務める。

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