支援項目
上場申請書類の作成、内部管理体制構築に係る包括的な助言等で支援いたしました。
Q1.御社のビジネスを教えて下さい。
当社は、「誰でも簡単にデジタル活用ができる世界を創る」という理念のもと、事業者のマーケティングに不可欠なクリエイティブアセット(デジタルコンテンツ)を最大限に活用するビジュアルマーケティングプラットフォーム、「visumo(ビジュモ)」を提供しています。
「visumo」は、消費者行動の変化に対応するソリューションとして誕生しました。近年は、SNSの普及やコロナ禍の影響により、消費者の情報収集はテキスト中心からビジュアル中心へとシフトしています。これに伴い、事業者にとって多角的なデジタルコンテンツの活用が重要となる一方、写真や動画などのデジタルアセットの管理やIT人材の確保が大きな課題となっています。こうした課題を解決し、お客様のニーズに応えることが、「visumo」の使命であると私たちは考えています。
「visumo」の最大の特長は、写真や動画などのデジタルアセットの収集・管理・活用・分析を一元化し、専門知識がなくても視覚的な魅力を最大限に活かしたオウンドメディアを運用できる点にあります。「visumo social」「visumo video」「visumo snap」の3つの機能を活用することで、目的に応じた訴求力の高いビジュアルコンテンツを発信できます。導入効果も高く、「visumo」を導入されたお客様からは、「購入率が3倍にUPした」「購入単価が20%上がった」などの喜びの声をいただいております。
2017年のサービス開始以降、導入社数は順調に増加し、2024年4月末時点で累計800社を突破し、アクティブ契約社数は2024年9月末時点で649社に達しました。導入企業はアパレル、化粧品、日用品など幅広い業界におよび、57.5%が売上高30億円以上の企業となっています。
当社は「visumo」を通じて、多くの事業者が業務効率を向上させ、リソースを最適化しながら成長を加速できるよう、サービスのさらなる進化を目指し努力を続けています。
Q2.新規上場を目指すに至った経緯を教えて下さい。
2019年にグループ会社から独立した当初より、IPOを視野に入れ、管理部門の体制強化や事業基盤の整備を進めるなど、上場に向けたガバナンスの確立に少しずつ取り組んできました。
当社が上場を目指した最大の理由は、事業成長の原動力とするためです。とくに営業活動や採用活動の強化において、上場による信用力向上とサービスの認知拡大が不可欠と判断しました。そのため、グロース市場への上場を第一歩と位置付け、より多くの企業や人材との接点を増やし、事業の発展を図るために、2022年より本格的に上場準備を開始しました。
Q3.響きパートナーズを知ったきっかけを教えて下さい。
IPOプロジェクトをスタートさせるにあたって、主幹事証券会社や信託銀行などを順に決定していくなかで、証券印刷会社には、グループ会社で取引実績があった株式会社プロネクサス様を選定しました。その流れで、プロネクサス様が開催するIPO関連セミナーに参加した際、登壇していたのが響きパートナーズの城戸様でした。
セミナーでは幅広いテーマが取り上げられましたが、なかでも失敗事例の紹介が印象に残っています。途中でIPOを断念したケースや審査に通らなかったケースについて詳細に解説いただき、当時の私たちにとっては重要な学びとなりました。IPOのリスクや課題を具体的に理解することで、自社の課題をより明確に認識し、上場準備に役立てることができたと感じます。
Q4.どのような課題やお困りごとがありましたか?
グループ会社から独立して数年の小規模な会社でIPOを進めるにあたり、社内体制の整備が不十分な状態でした。またIPO審査の実務経験者が不在のなか、「どのように進行すべきか」「必須書類をどのように整えるか」といった課題があり、社内の限られたリソースのみで上場準備を進める難しさを感じていました。そのため、IPOに関する深い専門知識をもつ支援会社の力を借りるべく、信頼できるパートナー企業の選定を始めました。
IPOの組織体制については、新たに専任のプロジェクトチームを立ち上げるのではなく、バックオフィス業務を担う既存の部署(コーポレートディビジョン)がそのまま主体となって進めました。社内の実働メンバーは、役員である私を除いて合計5名でした。通常業務との兼任による苦労もありましたが、設立以来進めてきた管理部門の体制強化が大いに役立ったと感じています。
Q5.響きパートナーズを選んでいただいた理由を教えて下さい。
上場審査書類の作成にあたって、プロネクサス様に支援会社について尋ねたところ、響きパートナーズ様をご推薦いただきました。候補としていくつかの企業を挙げていただきましたが、時間的余裕があまりなかったこともあり、セミナーでの印象が強く残っていた御社に絞ってご相談しました。別途、複数社の相見積りも確認しましたが、詳細にお話を伺ったのは響き様のみです。
御社にご支援をお願いする最大の決め手となったのは、初回ご相談時に、当社の規模や状況に応じて必要十分な支援内容をご提案いただけたことでした。小倉社長が当社にお越しくださり、ニーズや課題を丁寧にヒアリングして、その場で支援の範囲や進め方について明確にご提示くださいました。あれもこれもと沢山のサービスを勧めてくるのではなく、当社の身の丈に合ったご提案と親身なご対応で、御社への確かな安心感をもてたため、ほぼ即決に近い形で意思決定ができました。
Q6.響きパートナーズの支援業務について、特に満足いただけことを教えて下さい。
御社には、2023年10月から2024年3月までの約半年間にわたり、上場審査書類のうち「各種説明資料」の作成をご支援いただきました。
今回の支援を通じ、直接ご担当いただいた高橋様や青木様の高い理解力と対応力に深く感謝しています。当社のサービスはECやマーケティングに携わる立場の人でないと理解しづらい部分もありますが、限られた資料や最低限のヒアリングのなかで本質を的確に捉え、解像度の高い資料を作成いただきました。スケジュールどおりに進行し、かつ手戻りがほとんどなかった点も非常に助かりました。
資料作成の過程では、とくに質問の質の高さが印象に残っています。当社の業務を十分に理解し、要点を押さえたご質問をいただいたおかげで、迅速に対応することができました。さらに、大小さまざまな相談事に対し、主幹事の立場とは異なる「セカンドオピニオン」の視点でご意見をいただけたことも、当社にとって大きな価値があったと感じています。
上場を達成した今、改めて御社のご支援を振り返ると、豊富なキャリアと実績をもつお二人から細部にわたりプロフェッショナルなサポートをしていただけたことを幸運に思います。
高橋様には、支援業務の指揮にとどまらず、深い経験に基づく貴重な助言もいただきました。チャットや電話でのレスポンスが迅速かつ的確で、ときには厳しく踏み込んだご指摘をいただくこともありましたが、そのおかげで効果的なアウトプットにつながりました。
青木様には、公認会計士としての専門知識や監査法人での経験を活かしたご支援をいただきました。資料作成においてはもちろんのこと、会計業務の理解を深めるうえでも非常に有益でした。加えて、高橋様によるレビューを経て、より洗練された文書に仕上げていただいたことにも感謝しています。
今後も引き続き、当社の成長を支援していただけることを期待しています。
Q7.御社の今後の展望や野望をお聞かせ下さい。
当社は2024年12月にスタンダード市場への上場を果たしましたが、これをゴールではなく、ひとつの通過点として捉えています。上場の達成感よりも、むしろ気が引き締まる思いが強く、適度なプレッシャーを糧に品質向上を追求し、さらなる事業拡大に取り組んでいます。
私たちのビジュアルマーケティングプラットフォームは、まだまだ完成形ではなく進化の過程にあります。市場のニーズに応じた新機能の構想は尽きることがなく、サービス拡充のため日々試行錯誤を繰り返しています。とくに生成AIの活用を重点的に進め、信頼性を確保しながら革新的な機能を開発することで、顧客満足度の向上とさらなる取引拡大を目指したいと考えています。
また、現在「visumo」はEC業界を中心に活用されていますが、今後は幅広い業界へと横展開し、より多くの企業にとって役立つソリューションへと進化させていく方針です。企業のIT人材不足が続くなか、当社のツールが業務負荷の軽減に貢献できると確信しています。
今回の上場により一定の認知度向上を実感していますが、それ以上に人材面で大きな成果がありました。統括する立場として、ご支援いただいた皆様との協業を通じ、上場準備に携わった従業員一人ひとりの知識やスキルが高まったことを心強く感じています。
成長フェーズでは、適切なリスクを取りながら市場の変化に柔軟に対応することが重要です。今後も上場経験を活かし、積極的に挑戦を続けながらビジネスの成長を加速していきます。また、強固な組織づくりを進め、優秀な人材確保の実現を目指します。こうした努力が、お客様をはじめすべてのステークホルダーへの貢献につながると信じています。