支援項目
内部管理体制構築に係る包括的な支援および上場申請書類の作成、上場審査対応を支援いたしました。
Q1.御社のビジネスを教えて下さい。
当社は創業以来、「make IT simple」というミッションのもと、複雑なIT環境をシンプルにするソフトウェア製品やサービスを開発・提供し、お客様の課題解決に尽力してまいりました。現在は「データオプティマイズソリューション」と「セールスマネジメントソリューション」の2つのソリューションをサービスの軸に据え、Salesforceなどの他社SaaSと連携したクラウドサービス(SaaS)を展開しています。
「データオプティマイズソリューション」は、企業や組織がもつ取引情報、人事情報などの帳票データや、行政・公共機関、組織がもつ多様な情報を処理・整理するためのソリューションであり、これを基盤として当社のビジネスはスタートしました。当ソリューションの強みは、外部クラウドサービスにデータを入力する仕組み(INPUT)と、データを整理・加工・出力する仕組み(OUTPUT)の両方を備えていることで、あらゆる情報の最適化に寄与します。製品ラインナップには、帳票出力サービス「帳票DX」や、金融/行政機関向け電子申請サービス「カミレス」などがあり、多くの導入企業様が業務効率化やペーパーレス化によるコスト削減を実現しています。
「セールスマネジメントソリューション」は、近年注目度が高まっているサブスクリプションビジネスに特化した販売管理ソリューションで、無形商材のサブスクビジネス管理サービス「ソアスク」と、有形商材のサブスクビジネス管理サービス「モノスク」を提供しています。販売管理に必要な情報を一元管理し、サブスクビジネスの業務プロセスを支えています。
これら2つのソリューションにより、お客様のビジネスの成長と収益最大化に貢献しています。
Q2.新規上場を目指すに至った経緯を教えて下さい。
当社が持続的に企業価値を向上させていくためには、行政や公共機関を含めたエンタープライズ市場の開拓を強化し、既存の製品・サービスラインナップにとどまらない収益源の多様化を図ることが重要な課題として挙げられました。これらの課題を解決するためには、当社の信頼性や知名度を向上させてキャリアを積んだ優秀な人材の増員はもちろん、今後オプロの理念を深く理解してそれを体現することのできる新卒採用を強化していく必要があると考え、上場を目指すこととなりました。
Q3.響きパートナーズを知ったきっかけを教えて下さい。
当社の元社外取締役に、響きパートナーズさんをご紹介いただきました。
その元社外取締役からは、以前IPO支援を受けた経験があり、誠実かつ柔軟に対応してもらえたと伺っていたため、当初から高い信頼を寄せていました。
Q4.どのような課題やお困りごとがありましたか?
上場に向けた計画が具体化する前から、将来のIPOを見据えて少しずつ身の丈にあった準備を進めてきたので、個人的には体制的な不安やリスクはそれほど感じずに、業績をしっかり上げることに集中して上場準備に臨めたと思っています。
少しずつでも整備してきた理由は、前職での上場準備において、ほぼ毎日タクシーで深夜に帰宅し、週末も出勤するというハードな状況に苦しめられ、前もって対策する重要性を痛感していたからです。当時もっとも手間取ったのが、過去のデータや資料を遡って整理する作業で、オプロでは後々困らないようにと地道に処理を積み重ねてきました。また、会社の規模感と管理部長の経験則とを踏まえて、最低限の人数で内部管理体制を組み、少数精鋭メンバーでIPOを目指すことができるし、適切だと考えたため、それに合わせた体制づくりや仕組みづくり、人材育成などにも時間をかけて取り組みました。上場準備プロジェクトメンバーは私を除いてすべて新卒採用で入ってくれたロイヤリティの高い優秀なメンバーで構成したことも、上場できた大きな要因だと思います。
言うまでもなく、優秀なプロジェクトメンバーの頑張りがあってこそですが、こうした事前準備が功を奏し、過度な長時間労働をせずに上場できて心からほっとしました。もちろん、万が一足りない知識やスキルがあっても、豊富な専門知識と経験を有する響きさんが寄り添ってくれていたため、心配せずに準備を進めることができましたので、響きさんにはすごく感謝しています。
Q5.響きパートナーズを選んでいただいた理由を教えて下さい。
複数社にお声がけして、支援内容や柔軟性、担当者の人柄、金額面等さまざまな面から検討し、最終的に響きさんが当社にもっとも適していると判断させていただきました。
ほかの支援会社さんからは、外部パートナーを活用した支援を提案され、一貫した進め方ができるかわからないことに不安を覚えましたが、響きさんはワンストップの体制だったので安心感がありました。また、当社としては上場業務を丸ごと委託するのではなく、専門家の支援が必要な箇所だけサポートいただく形を望んでいたため、それが叶えられる響きさんにお願いするのがベストな選択だと思われました。
もうひとつ、選定の決定打となったのが、主担当の伊東さんの存在でした。オンラインで初めて面会した際に、真面目で前向きで優秀そうな印象を受け、「この方なら寄り添って併走してくれそうだ」と感じたことを記憶しています。こちらから投げかけた質問に対して、明快で自信に満ちたご回答をいただき、とても好印象をもち、準備中の活動では印象通りの素晴らしい対応をしていただき、本当に感謝しています。
響きさんの支援期間は2022年6月から2024年7月までの約2年間(直前々期~申請期)で、上場審査書類(Ⅰの部、各種説明資料、成長可能性資料)の作成や、J-SOXの構築、審査対応などをサポートいただきましたが、結果として響きさんにお任せして正解だったと一同感謝しております。
Q6.響きパートナーズの支援業務について、特に満足いただけことを教えて下さい。
今回の上場準備では、伊東さん、村岸さん、清水さんと、外部デザイナーの増田さんの計4名の方にご支援いただきました。日常的な質疑応答に始まり、開示資料ドラフトの作成やアップデート後の細かな確認、J-SOXの構築など、上場準備の根幹部分の多くを迅速にご対応いただき、必要書類をスムーズに揃えることができて深く感謝しております。
とくに、主担当の伊東さんにはたくさんのことを依頼しましたが、何事にも迅速に当社の意図をしっかりくみ取ってご対応いただいたうえ、証券取引所からの難しい質問に対しても都度的確なアドバイスをもらえて、とても助けられました。伊東さんの知識や能力の確かさ、支援業務に対して明るくポジティブに取り組む姿勢に心から感心し、最後まで頼りにさせていただきました。
Q7.御社の今後の展望や野望をお聞かせ下さい。
オプロは、2024年8月21日に東京証券取引所グロース市場へ新規上場しました。IPOを達成したばかりなので、上場による効果を実感できるのはこれからだと思いますが、会社の信頼度や認知度向上によるお取引の拡大や、採用活動の成功に大いに期待しています。
社内での変化としては、上場後さっそく、4月入社の社員が「従業員持株会に入りたい」と申し出てきてくれました。上場準備にあたったプロジェクトメンバーを含め、「家族も一緒に喜んでくれた」という報告も受けており、嬉しい効果が現れているのを感じています。私自身も、家族からオプロカラーのブルーの花束と祝福の言葉を贈られて、おおきな喜びを味わうことができました。
とはいえ、上場はあくまで通過点だということを全社員に言い続けてきました。とくに経営陣には、パブリックカンパニーの準公人としての振るまいが求められるため、浮かれることなく、いっそう気を引き締めて業績を上げていかなければならないと肝に銘じています。
今後の当社の展望については、SaaSの指標であるRule of 40を継続できるように努力しつつ、早々にARR100億円の会社に成長して、社会を支えるインフラ企業になることを実現したいと考えています。その次のステップとして、上場前の証券会社による当社のバリュエーションが、時価総額の10倍以上にあたる440億円だったので、そういう会社になるぞと固く決意しています(笑)。
上場審査期間中、東証を3回訪れましたが、すべて大雨に見舞われて不穏な気配を感じていました(笑)。ところが上場日だけは天候に恵まれ、大勢の社員が上場セレモニーとKABUTO ONEに集まって笑顔で記念写真を撮影することができ、感じていた不穏な気配が一掃され、何とも言えないような喜びを感じることができました。このときの気持ちを忘れず、プライム市場への上場を目指して、再び社員一同で喜べるように精進していきたいと思います。